精度95%猫の痛み検知AIアプリ【CPD/新名称CatsMe!】を使ってみた!47の国/地域でユーザー数10万人突破


猫の痛み検知AIアプリ「CPD」は、リリース後3ヶ月で47の国や地域でユーザー数が10万人を突破し、多言語版も登場。

東京都中央区の株式会社Carelogyが開発、「弊社が中央区でスタートアップ企業として流行の先鞭をつける存在になれれば」と語ります。

目次

猫の痛み検知AI「CPD」とは?

CPDとは「Cat Pain Detctor:キャットペインディテクター」=猫の痛み検知器の略。

株式会社Carelogyが日本大学生物資源科学部獣医学科との共同研究で開発した、猫の顔画像から痛み表情を検知するAIアプリです。

猫の顔写真をアップロードするだけで、AIがその猫の表情を分析し、痛がっている顔をしているかどうかを判定してくれる無料のWebサービス。

猫は犬に比べ、感情を隠しやすく、痛みを抱えていても表情からは分かりにくいため、飼い主が異変に気付きにくいといわれます。

猫の専門医が痛みの有無に応じて分類した数千枚の猫の画像データを使ってAIを開発。

臨床現場の画像を使ってテストしたところ、90%以上の精度で猫の痛み表情を検知することに成功しました。

2023/10/02更新

10万以上のユーザーの皆様の判定データをAIに学習させ、90%⇒95%まで判定精度が向上しました。

47の国/地域でユーザー数10万人突破・多言語化!

2023年6月のリリースからあれよあれよと、ユーザー数が10万人を突破。47の国や地域で利用されるようになりました。反響の大きさがうかがえます。

日本語、英語に続き、フランス語や中国語版もリリース!

完全無料!会員登録不要!CPDアプリを実際に利用してみた!

さっそくわたしも自宅の4匹の猫で試してみることに。

使い方カンタン3ステップ!

STEP
アプリをダウンロードする

CPDをダウンロードします。

URLでアクセス、またはQRコードよりアクセス。

会員登録不要ですが、無料会員に登録すれば判定を記録できます。

STEP
アプリを起動する

アプリを起動して「猫の顔の表情をAIを判定」をクリック→「新規登録/ログイン」またはそのまま右上x印を押して次の画面に移動→アップロード画面が現れます。

STEP
猫の表情が写った写真をアップロードする

猫の表情が写っている画像をアップロードすると、あっという間に判定完了!

実際に自宅の猫4匹で検証した結果は?

わが家の猫4匹でAI判定。

検証①最近絶好調の獅子丸くん

左がアップロードした画像、右が判定画面。

ちょっと憂いを含んだ表情を選んでみたのですが、判定結果は「痛みなし」。

検証②大あくびをしている葵ちゃん

人間が見ると「イターイ!」「ヤメテー」と言っているような?

こちらも「痛みなし」でした。

検証③お耳のカユカユで投薬中の信虎くん

掻きむしり防止のためにエリザベスカラーをつけていて、実に不愉快そうなお顔。

こちらも「痛みなし」と出ました。このところ定期的に通院しており、痛いところはなさそうだと病院の先生にいわれています。

検証④闘病中の沙羅ちゃん

慢性腎臓病、リンパの腫れ、口内炎、慢性鼻炎など病気のオンパレードですが、本ニャンは食欲もあり元気に活動しているように見えます。

これが判定「痛みあり」と出ました。この左の写真を見ても痛そうに見えなかったので、意外に感じました。そこでもう一枚。

こちらも「痛みあり」でした。もう1枚念のため、やってみましたが、同じでした。

「このくらいの口内炎があると痛くて食べられない子が多いんですよ」といわれていた沙羅ちゃん。食欲旺盛でたくさん食べていて元気に見えても、リンパの腫れもあるしやはり痛いのかな?なんとも切ない結果となりました。

引き続き、きちんと通院治療をして、お世話をしたいと思います。

猫の飼い主のうち約1/3は1年間で1度も動物病院に行っていない!

猫の飼い主のうち約1/3は1年間で1度も動物病院に行っていないという結果が出ています。

参照:一般社団法人ペットフード協会『(令和3年)全国犬猫飼育実態調査』

猫は体調不良を飼い主にすらなかなか見せようとしないため、飼い主が猫の体調変化に気づかずに手遅れになることも…

4万匹以上の猫のうち49.2%が痛みを抱えている可能性あり

2023年6月末時点までの猫の痛み判定AI「CPD」の判定結果を集計すると、4万匹以上の判定のうち49.2%の猫が痛みを抱えている可能性があると判明してます。


痛みとは、生物にとってもっとも辛い感覚とも。

「痛みを抱えている猫のうち7割は、動物病院に連れて行ってもらうことなく家庭内に放置されてしまっている」という調査もあります(日本大学)。

「CPD」の研究開発で参考にしたのは、カナダのモントリオール大学が発行の「猫の痛みを評価する5項目[Feline Grimace Scale]」という指標。

猫の痛みを評価する5項目は
  • ひげ
  • マズル(鼻あたり)
  • 頭の位置

CPDを通して猫の痛みを早期に発見することは、猫の健康寿命を伸ばすことにつながります。

担当者にインタビューしてみた!

現在はご実家に愛猫がいるという、株式会社Carelogyの尾関さんにお話を伺ってみました!

尾関さんと実家の猫

痛み検知アプリのプロ版について

痛み検知AIアプリの今後の展開予定は?

現在Premium/Proを開発しています。

Premiumは多頭飼育をしている飼い主・ペットショップ・ブリーダーの方へ。

Proは動物病院を始めとした医療機関にご提供を予定しています。

開発中のイメージ図(公式サイトより)

2023年度中にリリースを目指しています!

現在の無料版AIでも90%以上の精度のことですが、さらに精度は上がるのでしょうか?

現在の無料版AIでもは痛み「あり」「なし」の判定で90%以上の精度。

プロフェッショナル版では「痛みあり」の中からさらに「緊急性の高さ」を見分けられるようにしたいです。

画像をアップロードするだけで痛みの程度までがかんたんに分かれば、飼い主は動物病院に行くべきタイミングがよりわかりやすくなると期待しています。

苦心している点や期待している点、リリースに向けての状況などを教えて下さい。

現行の無料版より、AIの精度や出力形式がアップグレード。

複数頭飼っている方向けの管理機能など、飼い主にとってより便利なサービスを発展させたいですね。

痛みの程度をAIで見分ける試みは、恐らく世界初ですね!

非常に難しい開発を乗り越える必要がありますが、無料版で集まった13万枚以上の画像を有効に活用して、難題に挑んでいます。

SNSで参加してみよう!AI精度向上キャンペーン #cpdで猫助け

現在、CPDではSNSを中心にAI精度向上を目的とした「#cpdで猫助け」キャンペーンを実施。

これまでも多くのユーザーから集めたデータを利用していますが、さらに多数集めることで精度の高い結果を得ることができます。最終的には臨床レベルまで向上させたいとのこと。

参加方法は簡単で 「#cpdで猫助け」 のハッシュタグを添えて、SNSで猫の写真を投稿してくださいね。


実際の投稿を集めてみました。

ずぶ濡れ、寝落ち前と、色んなバリエーションがあっていいですね。

お外の猫はケガをしていないかな?心配になります。

幸せそうなお顔に見えます。

たくさんの表情が集まれば、より精度の高いアプリ開発が期待できますね。

犬版のアプリ獣医師向け「X線画像解析AI」開発について

       

犬については「股関節レントゲン画像から骨粗鬆症リスクを調べる動物病院向けのアプリ」を開発されています。なぜこちらは猫ではなく犬なのでしょうか?

町にある普通の動物病院では、CTなどの高度な機器がなくレントゲン診断を用いるケースが多いのが現状です。

そのため犬の骨粗鬆症は町の動物病院で見逃してしまい、大学病院などの高度な医療施設にいってから初めて発見されるケースが多々あります。

そうした課題から、犬についてはレントゲン画像からの診断できる補助ツールを開発しています。

犬と猫で診断する内容が違うのが興味深いですね。

猫に対しては、表情分析アプリ、犬に対してはレントゲンの診断補助ツールと着眼点が異なりますが、いずれも、弊社が目指す「医療の民主化」を目指す中でのアプローチ。

「医療の民主化」とは、だれでもどこでも簡単に高度医療が受けられるようにすることを意味しています。

一部の大学病院などにいる専門家のみが持っている知見や技術を、飼い主や町の動物病院でも簡易に使えるようにすることが私たちの使命だと考えています。

人間の医療にも応用したい

犬や猫にできたことは人間にも技術的に転用ができるのでしょうか?

人間の医療についても、高度な医療知識を誰でもどこでも簡単に使えるようなサービスを展開していきたいと考えています。

猫や犬にできたことは人間にも技術的に転用できる可能性が高いので、表情分析やレントゲン診断補助ツールなどはやってみたいです。

言葉を話せない、表情が読み取りにくいというのは、動物だけに限らないですね。

猫の痛み感知アプリをリリースした後、ユーザーの方からいただいた声から「認知症」や「赤子」などの言語を話すことが難しい状態の人に対して、表情分析を応用したサービスなどを実現したいです。

「株式会社Carelogy」は東京都中央区のスタートアップ企業として

中央区を選んだのは、メンバーの住んでいる地域の中で集まりやすい場所だから。オフィスを構えて1年以上になり、中央区への愛が出てきています。

弊社をきっかけに中央区でスタートアップする企業が流行るような、そんな存在になれたら嬉しいです。

そのためにも弊社が成長していく必要があると思いますし、オフィスを移転する際も中央区内で移転ですね。

と尾関さんは、意気込みを語ります。

これからも、犬猫など動物のため、人間のためになる製品開発、中央区の魅力ある企業としての発展を楽しみにしています。

みなさんも猫の痛み判定AIアプリ「CPD」をぜひ試してみてくださいね!

この記事の執筆者 / 監修者

らみえる
らみえる
🐾動物専門・ペット特化ライター&デザイナー
🐾慶應義塾大学卒
🐾会員制ねこ専用ホテル&シッター・キャッツカールトン代表
🐾動物取扱責任者・愛玩動物飼養管理士
🐾現在は猫4匹との暮らし。幼少時から犬、リス、うさぎ、鳥、金魚などさまざまな動物と過ごし、生き物を愛してやまない毎日。
🐾前職は一般企業で広報、編集校正やってました。
🐾多趣味で神社検定とかいろいろ資格あり
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