殺処分の13倍127,730頭の猫が交通事故死
全国の道路で交通事故に遭い、命を落とす猫が殺処分の13倍127,730頭(推計)にのぼることがわかりました。2019年から2023年にかけて、この数は約4割減少していますが、まだまだ多くの猫が犠牲になっています。
調査では、不妊去勢手術の助成制度がある自治体ほど、猫の交通事故が減っていることも明らかになりました。一方で、猫以外の動物の死亡数は増えており、新たな課題となっています。
猫の交通事故死は5年で約4割減少
全国82の政令指定都市・中核市を対象に調査を行い、77の自治体から回答がありました。
そのうち、猫の遺体回収数を把握していた54の自治体のデータを分析したところ、以下のような結果になりました。
年度 | 道路で死亡した猫の数 | 全国推計数 |
---|---|---|
2019年 | 79,178匹 | 約19万匹 |
2023年 | 48,459匹 | 約12万7千匹(37.5%減少) |
また、人口10万人あたりの回収数は102.7匹でした。
一方で、猫以外の動物の交通事故は増加しており、過去5年間で12.4%増加。2022年以降は、猫の死亡数を上回る結果になっています。
不妊去勢手術の助成が事故の減少に貢献?
今回の調査で、不妊去勢手術の助成制度がある自治体では、猫の交通事故がより減少していることがわかりました。
特に、助成の件数が多いほど減少率も大きくなっており、**TNR(捕獲・不妊手術・元の場所に戻す)やTNTA(捕獲・不妊手術・新しい飼い主へ譲渡)**といった取り組みが効果を上げている可能性があります。
不妊去勢手術を受けた猫は繁殖できなくなるため、野良猫の数が増えにくくなります。その結果、交通事故に遭う猫の数も減っていると考えられます。
猫以外の動物の交通事故が増加、新たな課題に
猫の事故死は減っているものの、その他の動物が交通事故で命を落とすケースは増えています。
都市開発が進み、動物たちの生活環境が変わったことも影響している可能性があります。
今後は、猫だけでなく、タヌキやイタチ、アライグマなどの動物にも配慮した対策が必要になりそうです。
今後の課題と対策
今回の調査をふまえて、今後取り組むべき課題は次のような点です。
- 不妊去勢手術の助成制度をさらに充実させる
- 地域ごとのTNR活動をもっと支援する
- 猫以外の動物の交通事故の実態を詳しく調べ、対策を考える
猫の交通事故を減らすには、自治体と市民が協力して不妊去勢手術を広めることが大切です。
こうした取り組みを進めることで、道路で命を落とす動物を減らし、人と動物が共に暮らしやすい社会をつくることができます。
この調査は、**特定非営利活動法人「人と動物の共生センター」**が実施しました。
何よりも「動物が飛び出してくるかもしれない」という意識を持って、一人ひとりが安全に運転するのが大切ですね。
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この記事の執筆者 / 監修者
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🐾動物専門・ペット特化ライター&デザイナー
🐾猫専用ペットホテルキャッツカールトン代表
🐾慶應義塾大学卒
🐾動物取扱責任者・愛玩動物飼養管理士・登録販売者
🐾現在は猫4匹との暮らし。幼少時から犬、リス、うさぎ、鳥、金魚などさまざまな動物と過ごし、生き物を愛してやまない毎日。
🐾前職は大手企業で広報、編集校正やってました。
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