猫や犬と暮らしていると、誰もが一度は感じたことがある不安があります。
「もし自分が今、家で倒れてしまったら、この子はどうなるんだろう」
その不安に正面から向き合い、解決しようとしているのが、イラストレーター・保護猫漫画家のオキエイコさんが開発を進めるアプリ「うちの子バトン」です。現在、クラウドファンディングサービス「For Good」にて支援を募っています。
今回は、このプロジェクトの内容と、応援の方法についてご紹介します。
「うちの子バトン」が解決する課題



開発のきっかけは、オキさんがこれまでの活動の中で気づいた、既存の備えだけでは防げない問題でした。まずは、このアプリがどんな課題に向き合っているのかを見ていきましょう。
飼い主の異変に、誰がいつ気づくのか
ペットと暮らす人にとって、最大の不安のひとつは「孤独死」や「家庭内での事故」です。たとえ家族や友人がいても、毎日連絡を取り合っているわけではない人も多く、いざというときに飼い主の異変に気づける人がいない、というケースは少なくありません。

オキさんはこれまでにも、もしものときにペットの情報を託せる「ねこヘルプ手帳」「いぬヘルプ手帳」を制作してきました。これは家族や保護団体にペットの情報を引き継ぐためのアイテムとして、多くの飼い主に活用されています。
しかし手帳には、ひとつの大きな課題がありました。誰かに見つけてもらわなければ、効果を発揮できないという点です。家の中で一人倒れてしまった場合、手帳の存在自体に気づいてもらえなければ、ペットは長時間放置されてしまう可能性があります。
「気づいてもらう仕組み」をデジタルで作る

この課題に応えるために考案されたのが「うちの子バトン」です。ペットの記録を楽しく続けながら、その裏側で「飼い主の生存確認」を行うという、新しい発想のアプリです。
アプリ「うちの子バトン」の仕組み

「生存確認」と聞くと少し身構えてしまいますが、実際の使い方はとてもシンプルで、親しみやすいデザインが特徴です。具体的な機能を見ていきましょう。
ボタンひとつで生存確認、48時間で緊急モードへ
「うちの子バトン」の使い方はとてもシンプルです。
- 毎日ボタンを1回タップ:「今日も元気」ボタンを押すだけで、生存確認が記録される
- 48時間反応がなければ緊急事態モードに移行:異変の可能性を察知し、システムが自動で動き出す(時間設定は変更可能)
- 登録した代理人へ自動連絡:あらかじめ登録した家族や知人に、ワクチン履歴やかかりつけ動物病院などのペット情報とともに通知される
ボタンを押した後には「ペット日記」が開き、日記やカレンダー、ギャラリー機能で記録を振り返ることもできます。日々の記録を楽しみながら、自然に”もしもの備え”が続けられる仕組みになっています。
将来的には「交換日記」機能も
開発の第二段階では、代理人として登録した相手もアプリを使っている場合に、お互いのタイムラインに日記が表示される「アプリパートナー」機能も予定されています。もしものための備えでありながら、日々の暮らしを楽しくする工夫が込められています。
なぜこのプロジェクトが必要なのか
このアプリは、単に一人の飼い主の不安を解消するだけのものではありません。オキさんがこの取り組みに込めた、もう一段大きな視点を紹介します。
個人の問題ではなく、社会全体の課題

単身でペットと暮らす人の増加や、孤独死から発覚する多頭飼育崩壊など、飼い主の健康とペットの未来は、社会的な課題と常に隣り合わせにあります。オキさんは、この問題を個人の備えだけに留めず、テクノロジーの力で社会全体として向き合う必要があると考え、約2年の準備期間を経て、このアプリ開発に踏み出しました。
保護活動の現場からも寄せられる期待
ネコリパブリック代表の河瀬麻花さんや、保護猫スポンサーシップ「neco-note」代表の黛純太さんなど、動物保護の現場で活動する人々からも、強い支持のメッセージが寄せられています。飼い主に何かが起きた際、行き場を失う猫を一頭でも減らすための「備えの仕組み」として、現場からの期待も大きいプロジェクトです。
支援の方法とリターン

応援したい気持ちに合わせて選べるよう、リターンは全7種類用意されています。それぞれの特徴を簡単に紹介します。
クラウドファンディングは、3,000円から支援できる「応援プラン」をはじめ、アプリの先行体験権が付与される「とっても!応援プラン」、ペットの母子手帳がセットになった「ヘルプ手帳プラン」、オリジナルTシャツがもらえる「Tシャツプラン」など、全7種類のリターンが用意されています。
法人・個人問わず申し込める「スポンサープラン」もあり、応援の形はさまざまに選べます。
開発資金は、アプリの基本機能開発に加え、代理人へ個人情報を送信する仕様上欠かせないセキュリティチェックやリーガルチェックにも充てられる予定で、安全性を重視した計画になっている点も注目したいポイントです。
さいごに
「もしものとき、あの子のことを誰かが知っていてくれる」。この安心感は、ペットと暮らす人の毎日の気持ちを、確かに軽くしてくれるはずです。
ペットを愛するすべての人に知ってほしいプロジェクトです。「うちの子バトン」の今後の展開を、ぜひ一緒に見守っていきましょう。
ちなみに記者個人も、飼い猫のために個人的にクラウドファンディング「個人スポンサープラン」に参加させていただきました。

クラウドファンディング概要
プロジェクト名:飼い主の私が倒れても、ペットをひとりぼっちにさせないアプリを開発したい!|For Good
- 実行者:オキ エイコさん
- アプリ名:うちの子バトン
- 掲載サイト:For Good
- 目標金額:1,000,000円
- 現在の支援総額:552,000円
- 支援者数:60人
- 残り日数:72日
- 確認日:2026年6月20日
- 支援総額、支援者数、残り日数は変動します。最新情報はプロジェクトページをご確認ください。
【もしものとき】飼い主が倒れたらうちのコはどうなる?
【全体まとめ】飼い主に万が一のことがあったらドペットはどうなる?

【発見の仕組み】


【法律・制度】

【行き先・引き受け制度】





この記事の執筆者 / 監修者

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動物専門・ペット特化のWebライター・ディレクター・デザイナー。慶應義塾大学環境情報学部を卒業後、大手企業で広報や編集校正の仕事を経て、猫専門ペットホテル猫専門ペットホテル・キャッツカールトン横浜代表、愛玩動物飼養管理士。
幼少期から犬やリス、うさぎ、鳥、金魚など、さまざまな動物と共に過ごし、現在は4匹の猫たちと暮らしています。デザインと言葉で動物の魅力を発信し、保護活動にもつなげていきたいと思っています。
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