愛猫の健康のために始めたブラッシングが、いつの間にか「追いかけっこ」や「戦い」になっていませんか?
「痛がって逃げる姿を見るのがつらい」
「でも、家中が抜け毛だらけで困っている」
ブラシを手に「はぁ…」とため息をついたことのある飼い主さんは、きっと少なくないはずです。
猫にとってブラッシングは、本来リラックスできるスキンシップのひとつ。もし今うまくいっていないとしたら、それは性格の問題ではなく、道具や接し方との“相性”かもしれません。
今回は、猫の視点から見た「嫌がる理由」と、無理なく続けられるケアのヒントを整理します。
なぜ猫はブラッシングを嫌がるのか?
良かれと思ってしているお手入れが、猫にとっては負担になっていることがあります。
「どうして嫌がるの?」と戸惑うその瞬間、もしかすると猫は、小さな“違和感”を感じているのかもしれません。
猫が嫌がる4つの主な理由
- 道具が合っていない:ピンの硬さや静電気が「痛い」
- 力が強すぎる:皮膚が引っ張られる不快感
- 触られるのが苦手な部位:お腹や足先などの「急所」
- 嫌な記憶がある:過去の「痛み」への警戒心
嫌がるのはわがままや性格のせいではなく、理由のある反応なのです。
猫のブラッシング頻度はどれくらい?
「毎日完璧にやらなきゃ」と気負う必要はありません。大切なのは、猫の毛質や性格に合わせたペースを見つけることです。
短毛種 (日本猫、アメリカンショートヘア、ロシアンブルーなど)
週に2~3回が目安。自分で毛づくろいをするのが上手な子が多いですが、換毛期は驚くほど抜け毛が出ます。スキンシップを兼ねて、撫でる延長のような感覚で優しく進めましょう。
長毛種 (ペルシャ、メインクーン、ラグドールなど)
できれば毎日。非常に毛が絡まりやすく、一日放置するだけで小さな毛玉ができてしまうことも。脇の下やお腹周りなど、こすれやすい場所を重点的に、数回に分けてケアしてあげるのが安心です。
毎日やらないとダメ?
春と秋の換毛期は抜け毛が急増します。この時期は特に意識して回数を増やすことが、深刻な毛玉トラブルの予防につながります。
しかし、嫌がる子に無理強いするのは逆効果です。理想は毎日ですが、まずは「1日1分、背中だけ」でも立派なケアです。一度に全身を仕上げようとせず、今日は上半身、明日は下半身、といった「分割ケア」も有効な手段です。

「嫌がるのは理由のある反応」という視点はとても大切です。
ブラッシングは猫との大事なスキンシップのひとつ。
無理せず、まずは「1分だけ」「背中だけ」から始めてみましょう。
ブラッシングは抜け毛対策だけでなく、皮膚の状態を確認できる機会にもなります。毛をかき分けて地肌をチェックする習慣もぜひ取り入れてみてください。
なお、毛球症は消化管の動きが低下している猫や長毛種で特にリスクが高まります。どうしても嫌がり状態が改善しない場合は、動物病院でのトリミングや相談も気軽に活用してみてください!
猫のブラッシングをしないとどうなる?
猫は自分で毛づくろいをしますが、抜け毛が多いと毛を多く飲み込んでしまいます。 飲み込んだ毛が胃や腸で大きな塊になり、吐き出せなくなってしまうのが「毛球症(もうきゅうしょう)」と呼ばれる状態です。食欲不振や便秘を引き起こし、重症化すると治療が必要になるケースもあります。
日々少しずつ抜け毛を整えてあげることは、猫の胃腸を守るための大切なケアのひとつです。 また、ブラッシングには被毛の通気性を保つ役割もあります。毛が絡まったまま放置すると、地肌が蒸れて菌が繁殖し、「湿性皮膚炎(しっせいひふえん)」などの肌トラブルを招く原因に。
愛猫の健康で清潔な皮膚を保つためにも、無理のない範囲でお手入れを続けていきましょう。
無理なく慣らすための4ステップ
1. リラックス中を狙う:撫でる延長のタイミングで。
2. 1分だけで切り上げる:暴れて、嫌がる前にやめるのが鉄則。
3. おやつをあげる:頑張ったごほうびの「楽しい記憶」で上書き。
4. 道具を心地よいものに変える:実はこれが一番の近道かもしれません。
猫が嫌がらないブラシを選ぶには?

「ブラシを見ただけで逃げてしまう」という場合、まずは猫が嫌がらない構造のブラシを選ぶことが解決への近道です。ポイントは、肌への刺激(痛み)と静電気をいかに抑えるかにあります。
ラバーブラシ:肌への「当たり」が優しい
シリコンやゴム製のラバーブラシは、金属製に比べて先端が非常に柔らかいのが特徴。撫でられている感覚に近いため、金属のチクチク感を嫌がる子でも受け入れやすいタイプです。
- 嫌がられない理由:先端が丸く、地肌を傷つける心配が少ないため。
- 向いている子:ブラシ初心者の子、皮膚がデリケートな短毛種。
スリッカーブラシ:痛みを抑える「先丸タイプ」を
抜け毛をしっかり取るスリッカーは、針先が鋭いと痛みを感じやすい道具です。ピンの先に玉がついている「先丸加工」のものや、土台にクッション性があるものを選びましょう。
- 嫌がられない理由:地肌への刺激を分散し、チクチクした痛みを軽減できるため。
- 向いている子:毛量が多く、効率よくケアを済ませたい長毛種。
コーム:引っかかりによる「衝撃」を防ぐ
いきなりコームを入れると、毛玉に引っかかって強い痛みを与えてしまいます。まずは手ぐしなどで整えてから、最後にスッと通すのが嫌な記憶を残さないコツです。
- 嫌がられない理由:事前に絡まりを解くことで、急な「毛の引っ張り」を防げるため。
- 向いている子:毛並みを美しく保ちたい子、最後の仕上げ。
まとめ
猫の性格や毛質によって、合うケアの方法はそれぞれ違います。「毎日完璧に」ではなく、
「今日はここだけ」で大丈夫。愛猫の「心地よい」を探していくことが大切です。
別の記事では、「ブラシの種類ごとの特徴」や「毛質に合わせた選び方」を整理しています。今のブラッシングを、少しでも楽にできる、猫さんとの楽しい時間に変えたい方は参考にしてみてください。
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この記事の執筆者 / 監修者
- IT企業でプロジェクトマネージャーとして働いたのち、「どうぶつの魅力を伝える」道へ。 ヤギ、ウサギ、犬、猫……数々のどうぶつたちと暮らしてきた、“もふもふ”にあふれる人生を歩んできました。現在はライター・動画編集者として、文章と映像の両面から「伝える」をかたちにするお手伝いをしています。 愛玩動物飼養管理士の資格を活かし、飼い主さんとどうぶつの暮らしにそっと寄り添うコンテンツを届けていきたいと思っています。
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