和猫Japanese cat

和猫
猫種 和猫
英語表記 Japanese cat
ボディータイプ ※個体によって様々
毛種 ※個体によって様々
体重 ※個体によって様々
平均寿命 ※個体によって様々

和猫の特徴

「和猫」という言葉には2通りの意味があり、1つは「日本古来の純血種としての猫」で、もう1つは「日本に生息している混血種を含む猫」です。本来はかつて日本に存在した日本特有の猫種のことを示していましたが、WW2後に海外からの洋猫が一気に持ち込まれた結果混血が進み、現在は日本古来の純血種は存在しなくなってしまったと考えられています。そのため、現在の「和猫」という言葉は2つ目の意味合いで使われることがほとんどで、以下本記事中においても和猫とは「日本猫の血を持つ雑種(ミックス)」のことを示します。和猫は頬が張り鼻筋が通った丸形の顔、中型の体型、四肢は太めで、被毛は短毛の個体が多く、被毛色は白、黒、茶、灰の組み合わせで様々なパターンが存在しています。尻尾がくるんと丸まったように短かったり、途中で曲がっているかぎ尻尾な個体が存在することが特徴的です。短い尻尾の猫というのは世界的に珍しく、海外では尻尾の短い猫といえば日本猫、というイメージもあるほどです。

和猫の性格

和猫は一般的には人をあまり怖がることなくよく馴れ、穏やかで、自由奔放、マイペースな性格とされています。被毛色によって性格に若干の違いが存在すると言われており、以下の通りです。白猫は神経質で警戒心が強く、賢い個体が多いとされています。これは白猫の容姿が自然界の中で目立ちやすいため、生き残るために用心深い性格になっていったためと考えられています。黒猫はその見た目に反して人懐っこく穏やかな性格の個体が多いことで知られています。甘えん坊ですが賢く、しつけやすい猫です。ブチ猫は白の割合が多ければ警戒心の強い性格になり、黒の割合が多ければ人懐っこく甘えん坊な性格になりやすいと言われています。顔に八の字の形に模様の入ったハチワレ柄が最も人気です。トラ猫は茶色が基本の場合にはキジトラ、灰色が基本の場合にはサバトラと呼び分けられています。好奇心旺盛な性格で、用心深い個体と人懐っこい個体と両極端な場合が多いとされています。サビ猫は和猫の中では最も大人しく、控えめな性格です。臆病で、静かな場所を好んで過ごします。三毛猫は他の和猫よりも気が強く、マイペースです。そのため他よりも育成難易度が難しいとされています。好き嫌いが激しい個体が多いため、猫の意思を尊重しつつ自由に過ごさせるようにしましょう。遺伝子の関係でオスの三毛猫が非常に珍しいことでも有名です。

和猫の飼い方

基本的には人に対してフレンドリーですが、和猫は元々家の外で自由に過ごすことも多かった猫種です。運動量が少なかったり、長時間構われるとストレスになる個体も存在します。特に飼い始めの時期には、猫の様子を観察しつつ構う時間を調整していきましょう。静かに過ごせる環境を整えるのと同時に、室内飼いであれば十分に満足できるだけの運動量も確保できるようキャットタワーやおもちゃも用意しましょう。

和猫の歴史・起源・生態

日本にいつから猫がいたのかについては現在でも詳細なことは分かっておらず、諸説存在します。今知られているような日本猫については奈良時代にネズミから書物を守るために中国から輸入されたのが始まりとされていますが、弥生時代の遺跡から猫の遺骨が発見されたというニュースもあり、今なお検証が続けられています。和猫の特徴といえば短尾ですが、この珍しさがアメリカで受け入れられ、計画繫殖された結果生まれたのが「ジャパニーズ・ボブテイル」です。1976年には正式に品種として認定されています。現代において純血種としての和猫に出会うことはほぼ不可能ですが、人懐っこく物わかりの良い和猫らしさを好むのであればこの品種を飼うことを検討してみても良いかもしれません。

和猫の気を付けたい病気

急性・慢性腎障害、皮膚炎、あごニキビ、舐性皮膚炎

和猫の一口メモ

和猫がペットショップにおいて品種として取り扱われていることはないため、飼育を希望する場合には保健所や保護団体から引き取る必要があります。被毛色によって性格も異なるため、飼い主側の生活サイクルなどを考慮しつつどんな子をお迎えするか事前に十分に検討しておきましょう。

獣医師監修

本記事は、信頼性・正確性向上のために、獣医師資格保有者が監修しています。監修者の詳しいプロフィールは下記をご参照ください。

この記事の執筆者 / 監修者

獣医師もも
獣医師もも
北海道大学を次席で卒業し、獣医師資格取得。日本獣医師会会長表彰受賞。
幼少期から鳥やウサギ、犬などに囲まれて暮らし、獣医師を志しました。
大学卒業後は関東の動物病院で勤務した後、IT企業でWebディレクターとして働いています。
動物に関する正しい情報を発信したいという想いから、自身のブログ「獣医師ももブログ」 を立ち上げ、日々ブログを更新しています。

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